中小企業診断士学習は継続中です!
今回も過去問を取り上げたいと思います。
学習中だとどのように着目すればよいかわからないよね!
タグで「事例Ⅱ」に関連する項目は見ることができます!
診断士の学習をしない方も、どんな問題がコンサルの試験になるのかを見てみると面白いと思います!
ちなみに令和2年私は事例Ⅰ「B」、事例Ⅱ「B」、事例Ⅲ「B」、事例Ⅳ「A」でした。
A:60%以上、B:50~60%未満、C:40~50%未満、D40%未満
令和2年事例Ⅱの問題
過去問は1次試験も2次試験も以下のリンクから、見に行くことができます。
企業概要
様々な要素がありますが、それは後程本文でご確認いただくとして、概要を抜粋すると以下になります。
- 資本金450万円
- 従業員10名(パートアルバイト含む)
- ハーブの無農薬栽培、ハーブ乾燥粉末の一次加工・出荷
設問解釈
長い本文を読むには、先に設問を解釈してから本文を読むことが必要です。
そのために、「設問解釈」から始めたいと思います。
第1問
現在のB 社の状況について、SWOT分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ40 字以内で説明すること。
答えるもの:SWOT
サラバト解釈(与件文に探しに行く):切り分け。自己コントロール可能なSWと外部環境のOTを切り分けるが、ほかの設問をやってから行うべきかな?(強みなどは、設問に関連させたいので)
第2問
Z社との取引縮小を受け、B社はハーブYの乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後はZ 社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100 字以内で助言せよ。
答えるもの:今後の望ましい取引構成
サラバト解釈(与件文に探しに行く):Z社のターゲットはだれか?ほかのターゲットを持っている企業はどこなのか?依存を下げる方向か。
第3問
B社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手がけたところ、ある程度満足のいく売上げがあった。
設問1
上記の事象について、アンゾフの「製品・市場マトリックス」の考え方を使って50字以内で説明せよ。
答えるもの:製品・市場マトリックスのどこにあたるか
サラバト解釈(与件文に探しに行く):おそらく、市場軸と製品軸で本文を読む。多角化戦略はないだろうが・・見てみないとわからない。
設問2
B社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品づくりに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100 字以内で助言せよ。
答えるもの:コミュニケーション施策
サラバト解釈(与件文に探しに行く):コミュニケーション施策だから双方向なはず。オンラインサイト上というのが、制約条件。どんな販売を行っているか
第4問
B社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機にB社とX島のファンになってほしいと願っている。 絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべきか。100 字以内で助言せよ。
答えるもの:どんなプログラムを立案するか。
サラバト解釈(与件文に探しに行く):B社とX島のファンになるためのそれぞれの強みは何か。
本文との対応
本文はすべて載せるのもどうかと思うので、以下をご覧ください。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2020/a2ji2020.pdf問題との対応は以下のように考えていきます。
第1問
現在のB 社の状況について、SWOT 分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ40 字以内で説明すること。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
強みS
- 高品質ハーブ
- 効率的栽培法
- Z社との取引実績
- 乾燥粉末に対する技術?
弱みW
- 全国的な知名度の低さ
- Z社への取引
- 依存度の高さ
機会O
- 安眠効果の高いハーブ(つよみになりうる?)
- ハーブの用途が広い(つよみになりうる?)
- 島内でのYハーブの知名度の高さ
脅威T
- 高齢化による農作放棄
- 農家所得減少
答え構想:ほかの設問と合わせて、上記を抜粋。
第2問
Z社との取引縮小を受け、B 社はハーブY の乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後はZ 社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100 字以内で助言せよ。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:30-40代女性が現在のターゲット。Z社への依存度が高いことは問題になりつつある。
答え構想:Z社以外に拡大していくリスク分散。しかし、ほかのターゲットを明確に持っている他社の存在はないので、抽象的に書くか。
第3問
B社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手がけたところ、ある程度満足のいく売上げがあった。
設問1
上記の事象について、アンゾフの「製品・市場マトリックス」の考え方を使って50字以内で説明せよ。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:30~40歳女性→20~50歳女性という幅広い年代にターゲットがなっている。これは新市場と呼べるのか?
オンラインサイトは新流通経路。今まで売っていたハーブとは違い、安眠効果のあるハーブ。
答え構想:「新製品開発戦略」とすべきか。どちらも考えられるが、ターゲットがかぶっているので、違う製品を既存市場に投入したと考えるべきか。
設問2
B社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品づくりに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100 字以内で助言せよ。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:双方向の取り組みで行っているようなものは見つからない。オンラインサイトの機能も具体的にはわからない。
答え構想:双方向なら「問い合わせフォーム」や「クチコミ機能」、製品開発に意見をもらう「散布プル提供」などかな。
第4問
B社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X 島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機にB社とX島のファンになってほしいと願っている。 絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべきか。100 字以内で助言せよ。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:X島のつよみは大自然だが、星空観賞は含めないので、1年中の釣りやダイビング?B社では一面ハーブ畑がある。
高齢化が進んで農家所得まで減っているから、引っ越ししたいと思うような回答がいいか?
答え構想:農業体験を行う。その際にB社のハーブ畑とX島の釣りやダイビングの魅力を若い世代に伝え、将来的な人口流入を期待することで、解消する。みたいな回答か。
解いてみての感想
解いてみての感想は「わかりそうでわかりきらない」でした。
これも2次試験全体に言えることですが、アンゾフの成長マトリクスなどは、わかっているがとらえ方が視点によって違うじゃないか・・という印象でした。
私はこの評価も「B(50~60%未満)」でした。
TACさんが回答解説動画を出しています。2次試験は予備校などでも回答が一つに固まらないのも特徴です。
以下の書籍で答え合わせできると思います。
TACテキストも良いのですが、自分の回答と見比べづらく、一般的に推奨されている「ふぞろい」のほうがおすすめです。
ふぞろいも最新版が出るようですので、その場合はそちらがよいでしょう。
この模範解答を正解とすると、1問はある程度答えられますが、やはり切り分けが難しいです。
2問は、ある程度近い構成でした。
一方で、3問は「新市場開拓」となっており、回答と違いました。そこも迷ったけど、新しいハーブは新製品じゃないの?という思いも強いです。
また、設問2では「巻き込む」という表現にもっと強く反応すべきと反省しています。
4問は、回答としてはあり・だとは思いますが、完全に農家所得の減少は観光所得でカバーするとしても、耕作放棄地の問題はそのままになっているのでは?とも感じます。
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