厳しい現状が、前回の決算短信を見てもわかりましたね。
航空業界の固定費が非常に高いことを把握できましたが、どのように決算説明はしているのでしょうか。
やはり、財務諸表とやらは早かったわ。わからん、、、
※そんなあなたは↓↓↓↓
私はなんとなく解ったけど改めて基礎力を見直したわ。
決算説明ではどのように話されているか
前回の記事では、決算短信を基に損益計算書と貸借対照表の解説をしました。
今回は、決算説明資料を用いてどのように発表をしているのかを見てみましょう。
はじめに
やはり、飛行機が前面に押し出されているけどすごく簡素な表紙で始まります。
ちなみに題目が変わるすべてが飛行機の写真が挿入されています。個人的にはもっとかっこいい写真ありそうじゃない??と思っちゃいましたw
決算概況
上期決算
前記事でも紹介したように売上合計は7,641億円もの減少をしており、大きな影響を及ぼしているのは航空事業であると説明していますが、こちらではPeachの説明もあります。(決算短信は読み飛ばしていただけかもしれませんが)
通期予測
国際旅客を21年の3月末にコロナ前の需要水準の50%に、国内旅客を70%に戻していくという前提のもとに成り立っています。
GoToトラベルで回復基調が見えた10月末時点でしたが、現状は日本としては第3波ともいわれているCOVID19の状況で、中止もされています。国内はこれを前提としているとしたら厳しい見立てでしょう。
また、国際旅客はそれ以上に厳しいのではないでしょうか。ファイザー社が開発したワクチンに関しても生産の問題があり、全世界的にいきわたるのはかなり長期的になりそうでもあります。
事業別動向
夏場にレジャー需要を取り込んだとのことでPeachのみ回復基調が出ていたようですが、10月以降予想通りに行ってはいないでしょうね。
誰も情勢はわからないけど、来年3月に昨年の70%水準(国内)・50%水準(海外)になるとは私は思えない・・・依然として厳しい状況は続くのではないでしょうか。
事業面の対応策
1番などはなかなか、難しいのでしょう。今まではいかに自社の航路を拡大していくかということを意識して、経営を行っていたのに対して、需要変動を加味して、機動的にしなければいけないなど。
電車をイメージすればわかりやすいと思いますが、機動的な運航便といっても限界値が当然あります。その可変性を以下に吸収できるかがカギなのでしょう。
2番が、一番日経などでも取り上げられていますが、派遣外国人乗務員の契約解除が進んでいるとのことです。日本の一般企業も派遣社員は真っ先に契約を切られる対象になりうるでしょう。
3番が、固定費の削減を緊急的な対応策として行うことでした。その柱としては役員・人件費の削減、外注業務の内省化、空港関連施設の賃料減額、管理可能費の執行削減などです。
経費の削減が喫緊の課題なわけです。そして、上期の実績としては△3,330億円の削減となります。しかし、グループ人件費は現状△550億円の削減に留まっています。
喫緊で課題となるのはやはり、固定費。様々な角度から固定費の削減を対応策として、打ち出しているよ!
事業構造改革
事業構造改革は短期と中期で見ていますが、アフターコロナとは状況がならないような気もしますね。中期的にウィズコロナという環境になりそうです。
保有機材は圧縮を予定しています。補足資料として、今の保有機も1割以上の削減を考えているようです。現在は309機あったものを、減少させています。現時点での削減実績は△6機ですが、大型機を大幅に削減し、△33機を見通しています。
キャッシュフロー
キャッシュフロー推移は凄まじいです。何がすごいかというと4-6月期で手元資金2,386億円に対して△1,753億円となったわけです。633億円しか手元資金が残らない計算で2Q目でそのまま耐えきれない計算でした。しかし、5,137億円の借入を行うとともに現金流出を抑え、キャッシュアウトを2Qは△799億円におさえたことで、仮にこのままいっても、5.66Q分(1年と1Q分程度)は持ち堪えられる計算です。
借り入れが出来ていなかったら、いわゆる黒字倒産となってしまっていたってこと(返済待ってくれないと)!大企業でもキャッシュの動きが大きい企業はなんと難しいのかがわかるよね!
中小企業では借入の審査に時間がかかればあっという間に黒字でも倒産してしまうのはこんな原理だよ。
総評
正直、かなり厳しい状況が今後も続くと言えるでしょう。そんな中でレバレッジが効き、かつ私が期待を寄せているのは以下のアバターインという事業です。
「ANAホールディングスの アバター準備室を経て2020年4月1日より、ANAホールディングスを持ち株会社とする新たな事業会社」※HPより抜粋
まだ歴史は浅いですが、事業の柱として成長可能性を感じられ、かつANAの強みを生かせる事業であるので、成長を急いでほしいところですが、説明が特にないところを見るとまだまだ投資分野ということでしょう。PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)でいうところの「問題児」でしょう。
※この記事はANAのIR情報を基にまとめております。
キャッシュアウト(現金支出)をいかに抑えて、回復基調の時に備えた資産をいかに残しておけるかが重要な要素です。1年以内に回復をしていかなければ、かなり厳しい状況と言わざるを得ません。
この機会にノンエア事業を成長が出来れば最も安心ですが、資源分散にもつながるので、実際は難しいでしょうね。
コメント