中小企業診断士学習は継続中です!
今回は過去問を取り上げたいと思います。
学習中だとどのように着目すればよいかわからないよね!
タグで「事例Ⅰ」に関連する項目は見ることができます!
診断士の学習をしない方も、どんな問題がコンサルの試験になるのかを見てみると面白いと思います!
平成30年事例Ⅰの問題
過去問は1次試験も2次試験も以下のリンクから、見に行くことができます。
企業概要
様々な要素がありますが、それは後程本文でご確認いただくとして、概要を抜粋すると以下になります。
- エレクトロニクスメーカ
- 資本金2500万円
- 売上約12億円 6割が複写機関連でそのほかは多様な受注系
- 従業員は50名でほぼ正社員
設問解釈
長い本文を読むには、先に設問を解釈してから本文を読むことが必要です。
そのために、「設問解釈」から始めたいと思います。
第1問
研究開発型企業である A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から 100 字以内で答えよ
答えるもの:相対的に規模の小さなターゲット市場をターゲットとしている理由(競争戦略の観点で)
サラバト解釈(与件文に探しに行く):競争戦略ということはポーターの差別化を元に「集中」「差別化」のどちらに該当するかを考える。
大手との競合避ける(ニッチ市場は大手が参入しづらい・・・というような)記述があるかどうか。
第2問
A 社の事業展開について、以下の設問に答えよ
設問1
A社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。 A社の人員構成から考えて、その理由を100字以内で答えよ
答えるもの:最終消費者に向けた製品開発に力を入れなかった理由(人員構成ふまえて)
サラバト解釈(与件文に探しに行く):A社の人員構成はどうなっているか。「最終消費者」とは誰を指しており、それ以外には誰向けの製品があるのか?
設問2
A社長は経営危機に直面した時に、それまでとは異なる考え方に立って、複写機関連製品事業に着手した。それ以前に同社が開発してきた製品の事業特性と、複写機関連製品の事業特性には、どのような違いがあるか。100字以内で答えよ
答えるもの:それもまでの事業⇄複写機関連事業 特性の違い
サラバト解釈(与件文に探しに行く):「考え方」と「特性」を二つ書く必要がありそう。これを分けて記述されているかを確認しにいきたい。
第3問
A社の組織改編にはどのような目的があったか。100 字以内で答えよ。
答えるもの:組織改編を行なった目的
サラバト解釈(与件文に探しに行く):組織改編の前と後で何が変わったか?環境の変化は何があったか
第4問
A社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ
答えるもの:チャレンジ精神や独創性を維持するために金・物理インセンティブ以外の取り組みは何があるか?
サラバト解釈(与件文に探しに行く):金銭的以外なので、いわゆる「採用・配置」「教育」「評価」の項目で行うのだろう。「評価」項目も「報酬」に含まれないものがよい。
→内発的動機付けがいいのだろうか?
※人事制度では「採用・配置」「教育」「評価」「報酬」で答える。
本文との対応
本文も以下をご覧ください。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2020/a2ji2020.pdf問題との対応は以下のように考えていきます。
第1問
研究開発型企業である A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から 100 字以内で答えよ
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
目立った記載がない・・・。
「ニッチ市場に向けた英品を試行錯誤を重ねながら開発し」という記載や「自社技術を応用した様々な新製品開発にチャレンジせざるを得ない」という部分はマーク。
答え構想:
記載なさそうなので、最後の方に取り組む。
知識的な部分で言えば『相対的に小さな市場をターゲットとすることで、競争戦略としてコアテクノロジーを「集中」でき製品を「差別化」できると考えたため』というような記載になるか。これらを修飾していく文面を探していく形。
第2問
A 社の事業展開について、以下の設問に答えよ
設問1
A社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。 A社の人員構成から考えて、その理由を100字以内で答えよ
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
人員構成:ほぼ正社員・9割近くが技術者
製品開発の対象:法人(とすると個人が最終消費者?)かパートナー向け
答え構想:
理由としては『最終消費者のニーズよりも技術向上が優先的であると考えたからである』
を修飾していく形。
しかし、これはマーケティング戦略でいう「プロダクトアウト」に近く、マーケティング戦略としては古いこともある。指摘した方がいいのか?
設問2
A社長は経営危機に直面した時に、それまでとは異なる考え方に立って、複写機関連製品事業に着手した。それ以前に同社が開発してきた製品の事業特性と、複写機関連製品の事業特性には、どのような違いがあるか。100字以内で答えよ
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
複写機関連事業:消耗品やトナーなど 急速な進歩がある
開発してきた製品事業:売り切りの事業
答え構想:
『それまでの製品事業は売り切り型であったが、複写機関連事業は継続的な取引が必要となる。急速な進歩に対して複写機関連事業は主体的に開発が必要となる。』を修飾していく形。
第3問
A社の組織改編にはどのような目的があったか。100 字以内で答えよ。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
組織改編:専門知識別→業界ごとのグループ別になっている
背景:複写機関連事業が縮小している(経営的に事業のポートフォリオを増やす必要がある?)
答え構想:
『複写機関連事業が縮小しているため、新製品開発戦略として提案ができるように(アンゾフの成長ベクトル)下地を作った。グループ化したことによって、業界知識などを蓄積できる』という方向性で回答。
概ね間違っていなさそうだろうと考えられる。
第4問
A社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
採用:中途採用のみ
評価:個人業績を年二回の賞与に多く反映
教育:目立った記載なし
報酬:社員持株会報酬、社員旅行、特許装置の社員還元1%
答え構想:
評価項目もほぼ報酬に近そう。
「教育」項目がないことを説明していくことが妥当かと。「中途採用のみ」だから社員の帰属意識も低いのかもしれない。
『独創性を維持していく上で、独自の研究開発などを行える場所や教育制度を整備する。中途採用のみで帰属意識が相対的に低い事も考えられるので文化的教育も行う。金銭的報酬などを含むと内発的動機付けが損なわれることにも留意する』というような方向性で回答する。
解いてみての感想
解いてみての感想は「根拠のない設問が答えづらい・・・」です。
ここでいうと第一問と第四問がそれにあたります。
私は以下の書籍を使って、答え合わせをしています。TACテキストも良いのですが、自分の回答と見比べづらく、一般的に推奨されている「ふぞろい」のほうがおすすめです。
ふぞろいも最新版が出るようですので、その場合はそちらがよいでしょう。
事例1、2、3は回答の正誤よりもどのような解き方で自分がつまづくのか・知らない知識があったのか、考え方の分岐で迷うのかという自分の思考回路を知っていくことが良いとも思います。
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