航空業界の双璧。JALについて、確認していきましょう。
一度経営破綻?しているよね!ANAの方が優秀みたいなイメージが最近あるよね。
どちらかといえば、伝統的・みたいなイメージがあるかも。
そんな、イメージを変えた方がいますね。
稲盛和夫さんです。経営破綻後にJALを再建したことにより、コスト意識の醸成などを推進しました。
若き日の稲盛さんには、かの孫正義も販売交渉を学び、コムデックスの買収時にも活かされたといわれています。
稲盛さんって、どんな人なの?
前回、紹介したKDDIや京セラを創業した実業家でJALでは名誉会長になっているよ。「アメーバ経営」という小組織でのマネジメント管理を取り入れていることが有名です。
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日本航空株式会社(JAL)
JALもANAも言わずと知れた、あこがれの航空会社という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし、コロナの影響で大きな影響を受け、大幅な人件費などの削減に踏み切っています。
今日は日本航空株式会社について解説したいと思います。
今回は決算短信、次回は決算説明会について解説いたします。
損益計算書
売上高は昨年の第三四半期累計が7,489億円であったのに対して、今年の第三四半期累計は1,948億円です。前年同期比でマイナス△73.9%もの差額を計上しています。マイナスの比率は同程度ですが、規模が大きい分、ANAの方が減少額が大きいといえるでしょう。
人件費の項目を確認します。1,511億円から1,308億円に203億円ほど削減をしています。ANAでの解説でも記載しましたが、売上原価として、計上しているANAに対して、費用の種類で計上しています。
ANAとJALは会計基準が[日本基準]と[国際会計基準(IFRS)]と異なります。そのため、総利益などの記載はなかったりします。
a 表示組替
日本基準においては、発生した費用に関して費用機能法に基づき、売上原価・販売費及び一般管理費・営業外費用・特別損失等に分類して表示しておりましたが、IFRSでは費用性質法による表示に変更しております。
短信p37より抜粋。
営業利益ベースで2020年は△2,193億円の赤字計上です。2019年の営業利益を見ると803億円でANAより、利益額は大きいんですね。営業利益率は10.73%となります。稲盛さんのコスト改革で、売上収益を確実に利益にしていく体制を作ってきたのが、COVID19下で差になっているかもしれません。
原価や販管費を抑えているのがJALであることがわかりました!
2019年時点でも140%以上売上が高いANAのほうが営業利益が低いというのは調べて初めて知りました。
定性的情報
セグメント別に見ると、当然ながら中心事業である航空事業の売上減少額が一番大きい。ですが、貨物のみが売上増加となっています。
国際旅客事業は△2,638億円、△96.6%です。
国内旅客事業は△2,162億円、△75.6%です。
貨物事業は83億円、18.4%です。
その他事業で△825億円、△56.9%です。
旅客数が単純に売り上げの減少を招いているので、ANA、JALともに傾向は完全に同じです。国際線などは海外渡航者の隔離処理なども取られているので、顕著です。
貸借対照表
貸借対照表を見ると、総資産は1兆9,994億円です。負債は1兆901億円、自己資本は9,041億円です。有形固定資産が1兆644億円です。皆さんも想像している通りかと思いますが、航空機が最も資産の価額が高く、8,570億円です。ちなみに航空機建設仮勘定という項目がありますね。これは現在制作中の航空機が約1,000億円以上あるということです。
自己資本比率は45.34%となります。安全性がANAと逆転した形ですね。
利益剰余金は6,454億円から4,839億円に減少しています。
ANAと比べて、急いで現金資産を調達している印象は受けません。
キャッシュフロー計算書
営業キャッシュフローは△1,499億円となり、投資キャッシュフローは△392億円、財務キャッシュフローは2,069億円となります。固定資産の取得を抑えているだけで、財務活動での借入もANAと比べれば少ない状況です。キャッシュフロー全体では増加しています。
借入の中で、最低限の絞り込みでキャッシュのやりくりをしています。
ANAよりも様子を見ながら削減をしている印象を受けます。
説明会資料
次回は説明会資料を解説します。
※この記事はJALのIR情報を基にまとめております。
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