この記事でわかること
- 大手3社の新プラン!内容は?
- 新プランの勝者はドコモ!
- 新プランの業績影響は?
- ソフトバンクとKDDIの決算を見つつ、3社比較
- 株主還元の継続性は? AT&Tやベライゾンから見るに・・・
消費者としては、大手キャリアから格安プランがでてとても助かりましたよね。
これを菅首相の最大の功績という人もいるくらいです。
ぼくもahamoにしたよ
私はKDDIの株式を持っているんだけどきっと売上は減少するんだよね・・・
消費者としての目線でも、投資家としての目線でも追ってみたいと思います。
私は優待目的でやっているから決算書とか見たことがない
※そんな方は↓↓↓↓
3社の新プランの内容
以前に、新プランが出たときに比較をしましたので以下もご覧いただければと思います。
比較 どのプランが最適?
改めて今のプランの比較をします。
結論としては、以下のように考えています。
通信品質をとるならahamo
20GB+通話5分の1年間最安、3GBプランならLINEMO
1-2GBや1日だけ無制限など選びたいならpovo2.0
ドコモ(ahamo) | ソフトバンク(LINEMO) | KDDI(povo 2.0) | |
価格 | 2970円 | 2728円プラン・990円プランも展開 | 基本料0円+ データ追加1GB(7日間) 390円 データ追加3GB(30日間) 990円 データ追加20GB(30日間) 2,700円 データ追加60GB(90日間) 6,490円 データ追加150GB(180日間) 12,980円 |
容量 | 20GB(超過分最大1Mbps) | 20GB(超過分1Mbps) →990円プランは3GB(超過分300kbps) | データが0GBだと最大128kbps 20GB(超過分最大1Mbps) |
特徴 | ・5分通話は外せない ・海外82の国と地域で追加 料金なく20GBのデータ容量を利用可能 ・有料で窓口対応あり ・端末購入も可能 ・dカード連携で追加容量もあり | ・5分通話はオプション ただし1年間無料 ・LINEアプリでの通信は データ容量を消費せず使い放題 | ・楽天モバイルも含めて最安値! ・容量が自由に選択可能 ・ただし、超過した場合の通信速度は最も遅い |
結論(私見) | 20GB+電話5分を利用なら 最安+3社の中でも 一番の通信品質 | 20GB+電話5分を利用する なら1年間は最安! | 利用容量が少ないなら最安! 1-3GBや1日だけ使い放題などあり。 |
新プランの勝者はドコモ
契約数はドコモが圧倒的にとっています。
ドコモ(ahamo) | ソフトバンク(LINEMO) | KDDI(povo 2.0) | |
契約数 | 約180万超 | 約50万件 | 約100万件 |
ソフトバンクの4倍近くの契約件数をとっていることになります。
新プランの業績への影響
総務省の発表する「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和2年度第4四半期(3月末))」によると以下のようになっています。
3月末のデータなので、新プランの影響はほぼないと考えられます。
しかし、移動系通信の契約数は1億9,512万であり、短い期間で約330万件・1.7%程度が新プランに乗り換えをしている可能性が高いということです。
これは、楽天モバイルが何とか1.5%になっていることを考えると大きな数であるということがわかります。
減収幅はどの程度か?
推定で見ていきます。
新プランの総契約件数が330万件と先の情報で見ていった場合。
ドコモのシェアは約55%、ソフトバンクが約15%、KDDIが約30%
と考えるとこの新プラン競争で、ドコモはシェアをさらに伸ばし、KDDIは維持、ソフトバンクは減少というような形ではないかと思います。
そして、キャリア全体ではどのくらい減収が見込まれるのかを考えてみましょう。
元プラン8,000円-新プラン3,000円=差額△5,000円
↓
△5,000円×12か月=年間売上減少額1契約あたり△60,000円
↓
△60,000円×330万件=3社での年間減少額△1980億円
販売の窓口や手間を減らせるといっても、どこまで大きく固定費や変動費を減少させられるかは難しいと思いますので、営業利益にほぼ直結してマイナスを出すことになると思います。
2021年3月決算を見ると以下です。
営業利益の合計は2兆8626億円3キャリアでありますが、その中から1980億円がマイナスとなるとしたら、6.9%の利益を失っていることになります。
当然、営業利益から営業外損益や特別損益を除外し、税金を支払った当期純利益が配当の原資となりますので、配当能力が下がっていくことになっていきます。
実際の減収影響は?
それでは四半期決算を見てみたいと思います。
第二四半期(9月)もしまっていると思いますが、発表は11月などなので第一四半期の資料を見ていきます。
以下の記事でも2020年度は増収増益だが、21年度は低価格プランのあおりを受けるだろうといわれています。
ソフトバンク
売上高は1839億円のプラス、営業利益は32億円のプラスとなっています。
LINEMOの契約数を含めて増加はして契約回線数は増加していますが、業績への影響はまだ比率もかなり小さいです。
しかしながらARPU(1契約あたり月間平均収入)は年々下がっており、この影響が今後顕著になっていくことが見込まれます。
2年前に比べて270円も低下していることが確認できます。
ソフトバンクの強み
ソフトバンクの強みは何といってもセグメントが多岐にわたることです。
法人事業は5.5%増やコンシューマ事業は10.8%の増加という状況にもかかわらず、
ヤフー・LINE事業は36.3%も増加をしていることが見えます。Zホールディングスの貢献が大きいのかと思います。
当然、ペイペイもこれから収益を上げていくでしょう。
KDDI
売上高および営業利益はソフトバンク同様に微増をしています。
一方で、ソフトバンク同様に ARPU(1契約あたり月間平均収入)は年々下がって いることが見て取れます。
KDDIの強み
KDDIの強みはソフトバンクよりも高い契約シェア率とドコモよりも多角化した経済圏の構築ではないでしょうか。これを「au経済圏」と称して拡大をしていく方針を見ることができます。
ただし、この経済圏はキャリアとしては後発の楽天に圧倒的な強みがあるといえるでしょう。
ドコモ
ドコモはご存じの方も多いと思いますが、上場廃止をしていますので情報はわかりません。(もっと調べればわかるかもしれませんが)
しかし、以下の状況は同様だと思います。
- ARPUの低下
- 契約数の増加による増収増益傾向
- 経済圏(事業の多角化)の構築方針
ドコモの強み
ドコモの強みは何といっても上場廃止に伴うNTTグループ全体での利益を見ればいいということです。
他2社が短期的な利益を継続して追わなければいけないのに対して、結果的に赤字覚悟の競争となった場合でも長期的な戦略をとれるようになったこと、NTTグループのシナジーを生かせること、最も高い契約シェア率という数多くの強みを持ちます。
このように考えるとこれから新プラン競争にどのようにドコモが対応してくるかで業界は大きく変わっていくと思われます。
株主還元の継続性は?
先に述べたように、上場を廃止したドコモの戦略によって大きく短期的な還元方針は変わっていくと思います。
しかし、株主還元は利益低下に伴って下がっていく方針だと思います。
利益を株主にではなく、顧客に還元していく方針になっていくでしょう。
今後、ARPUは長期的に低下傾向が継続します。これはある程度目に見える傾向だと思います。
その中で私の見立てとしては最も割を食うのはKDDIではないかと思います。
理由は以下です。
- 短期的な株主還元(人気の優待制度など)を行っていること
- ソフトバンクほど多角化できていないこと
- ドコモほどシェアをとれていないこと
どのようになっていくかは当然、今後の新プラン競争の結果に影響されますが、どうなっていくのでしょうか。
KDDIの株主優待カタログに魅力を感じていましたが、しばらくは様子見かな・・
と私は思っています。
ぜひ、関連の以下記事も見てみてください!
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