前回見た決算説明資料では、株主に対する説明で事実ベースというよりも
一般的には株主に対して見え方がよい説明をするケースが多いです。
トヨタもそうってこと?
けれど決算説明資料を見ている限りでは、事実ベースで話していますよね!
ほかの決算では色々と情報が出ていると思いますが、今回は財務諸表ベースでみてみましょう。
財務諸表ってなんだっけ?
財務諸表とやらは早かったわ。わからん、、、
※そんなあなたは↓↓↓↓
それでは、現在の財務諸表からトヨタの強さを少し見てみたいと思います。
損益計算書
営業収益(売上)は当期で19兆5252億円でした。昨期が22兆9672億円でしたので、△3兆4420億円となっています。
営業利益は1兆5079億円であり、昨期は2兆393億円で、△5314億円となっています。
四半期利益は1兆4986億円であり、昨期は1兆7701億円で、△2715億円となります。
コロナの影響は小さくないですが、その中では約14%程度の売上減少は検討をしているということになるのでしょう。
14%の売上が下がっただけで3兆の売上が吹き飛びます。
規模が大きければ固定費も大きいですが、それでも営業利益が26%の減少に収まっているのはトヨタの営業体質の強さともいえると思います。
貸借対照表
次にトヨタの資産を見てみましょう。
総資産は58兆103億円です。これは日本企業でも当然大きいですが1位ではありません。
とはいえ、民営化された日本郵政を除いて民間企業ではほぼ1位でしょうね。
順位 | 企業名 | 総資産額 (百万円) |
---|---|---|
1 | 日本郵政 | 286,098,449 |
2 | 日本取引所 | 67,286,302 |
3 | トヨタ | 52,680,436 |
自己資本比率は約39%です。59兆円もの資金のうち、自己資本で22兆6330億円もの資金を賄っているのです。正直すさまじいですね・・・
また、利益剰余金(今までの利益の貯金箱)が23兆円となっています。自己資本のマイナス部分は自己株式のみとなっており、健全に大きな会社であるといえるのではないでしょうか。
自己資本比率=自己資本÷総資本 借金と自己資本を見る値 40%以上が望ましいともいわれます
流動比率も約105%であり、さすがにトヨタは安全性がこの規模でも盤石であるといえるでしょう。
流動比率=流動資産÷流動負債 短期的な安全性を見る指標 100%以上が望ましい
では、効率性はどうかみてみましょう。
ROAは約3.3%です。この指標はどの程度資産を有効に働かせることができるのかという指標ですが、同一のほかの業界と比較してみないと何とも言えない数字です。
ROA=営業利益÷総資産 ROAで使う利益は様々ですが、今回は事業利益(営業利益+営業外収益)を用いています
工場などを多く抱える自動車業界なので、比較のために有形固定資産回転率も見ておきましょう。
有形固定資産回転率は1.81回です。少なくとも現在抱えている資産分は今期の売上でまかなえているということです。(利益ではないですが)
有形固定資産回転率=売上÷有形固定資産
規模がけた違いに大きいのに、かなり健全。
amazonの自己資本比率も30%程度だったが、それを上回ります。
継続的な研究開発が必要ですが、健全性を保つのは日本企業の一つの特徴かもしれません。
キャッシュフロー計算書
最後に現金同等資産を示すキャッシュフロー計算書です。
この作成方法なども解説しているので、もしよろしければ見てみて下さい。
営業キャッシュフローは1兆8340億円、投資キャッシュフローは△3兆6890億円、財務キャッシュフローは2兆1960億円です。
結果的に現金資産は4000億円ほど増えています。
貸借対照表では、健全な企業!と説明したけれども、
営業で稼いだ分だけでなく、それ以上に借り入れを行ってほぼすべてを使って、先行投資をフルスロットルでしているということが見て取れるCF計算書です!
なにに投資をしているのか。モビリティカンパニーへのフルモデルチェンジ(以下リンク参照)は叶うのか!期待したいです!
※この記事はトヨタのIR情報を基にまとめております。
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