みずほFGが、100億円規模の損失を出す・・とか
三菱UFJ証券、330億円損失見込だとか・・・
けれど、正直なんでこんな損失が出ているかわからない!
詳細じゃなくていいから簡単に教えて!
野村HDの株価急落も引き起こしたこの問題。
私がかみ砕いた解説をしていきたいと思います。
この記事でわかること
- 7ステップで理解できるアルケゴスキャピタル問題
- 問題の中心は誰?
- なぜこの問題がおこってしまった?
簡単な構造
まず、「アルケゴス」ってなんだか知らない人もいるでしょう。
アルケゴス・キャピタル・マネジメント=アメリカの投資会社
基本はこの理解でいいと思います。もう少し詳しくは後ほど解説します。
構造解説
簡単に言えば、以下のような構造で破綻をしたのです。
- アルケゴスは「融資」を金融機関から受け、「投資」していた
- その際に「担保」に株式を入れている
- 株価が下落すると「追加保証金(通称:追い証)」を金融機関は求める
- これに応じず、強制的に金融機関が「担保」の株式を売却
- アルケゴスは破綻
- 担保を執行した金融機関は不足分が損失
- 回収ができていない金融機関はそのまま破綻
そして、以下は図式で見てみましょう。
通常の投資時
今回の問題時
簡単に言えば、このような構造でした。
そして、これを率先して担保売却で損失を最小化したのが「ゴールドマン・サックス」や「モルガン・スタンレー」でした。
次章からは少し、問題の中心人物など見たいと思います。
問題の中心「ビル・ファン」氏とは
今回の中心人物の経歴を少し見てみたいと思います。
wikiがよくまとまっており、ブルームバーグなどの情報とも相違なさそうなので、そちらを基にまとめます。
「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」はビル・ファン氏の個人資産を扱うファミリー・オフィスでした。
アルケゴス設立までの経緯を解説すると以下です。
1996年にジュリアン・ロバートソンのタイガー・ファンドに入社
2000年にタイガーファンドは解散
2001年にタイガー・アジア・マネージメントを設立。1600万ドルの資産を2002年に1億4000万ドルまで増やす
2007年のサブプライム危機では資金の40%を失う
2008年から2009年にかけて機密情報を元に中国銀行と中国建設銀行の株を売り1670万ドルの利益を得たとしてインサイダー取引の容疑がかけられ、2012年にSECと4400万ドルの罰金で和解。
香港では2014年から4年間の株取引禁止処分
2013年にアルケゴス・キャピタル・マネジメントを設立
問題はなぜ起きた?
経緯で見たようにインサイダー嫌疑がかけられた人物と多くの金融機関が取引するのはあまり好ましくないというのは言うまでもないでしょう。
しかし、なぜこんなにも多くの金融機関が取引をしていたのかといえば、簡単に言えば「手数料を多くとれる上客」だったからにほかなりません。
「融資の利息」ももちろんですが、スワップ取引など「取引自体の手数料」が取れたからです。
金融機関に言うのもなんですが、「安物買いの銭失い」となってしまった状況ですね。
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