「コーヒーが冷めないうちに」は映画化もされた大人気小説です。
あるタイムスリップできる喫茶店を舞台に人間ドラマが展開されていきます。
それぞれのお話で基本的に完結はするので、そこまで厳密に気にする必要はありませんが、各小説の間の話も一部繋がっているので、せっかくなら順番通り読みたいですね。
1とか2とか言うタイトルでもないので、順番を案内していきます。
今回の書籍
川口利和の書籍「コーヒーが冷めないうちに」は2015年に発売された小説です。
実は、脚本家兼演出家として活動していた川口俊和氏が手掛けた舞台作品が元となっており、先に舞台があり、後から小説となり、有村架純さん主演で映画化もされているというマルチメディアながら部隊が一番最初という珍しい(?)作品です。
2024年9月30日に最新刊 「愛しさに気づかぬうちに」が発売されました。
コーヒーが冷めないうちにシリーズ最大の魅力
タイムスリップできる喫茶店「フニクリフニクラ」を舞台に描かれる人間ドラマが核となります。
いわゆるタイムスリップモノは”過去に戻って未来を変える”というものが多いですが、この小説は大きく違います。それは以下のようなルールがあるからです。
1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
3.過去に戻れる席には先客がいる
その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、
そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけコーヒーが冷めないうちに 紹介より抜粋 (実は未来にも行ける)
このルールによって”現実は変わらない”ので常に過去に戻る人たちは、心の問題において戻ることを選択することになります。
多くの場合においては、自分か戻った先の相手のためを思って戻ることになります。
その理由やそれぞれの結末が涙を流さずにはいられないのです。
コーヒーが冷めないうちにシリーズを読む順番
それでは、コーヒーが冷めないうちにシリーズはどのような順番で読むのがいいのでしょうか?
出版順では以下のようになります。
ちなみに時系列はコーヒーが冷めないうちに→さよならも言えないうちに(1年後?)→やさしさを忘れぬうちに(2年後?)→愛しさに気づかぬうちに(3年後?)→この嘘がばれないうちに(6年後?)→思い出が消えないうちに(15年後?)だと思いますが、あまりここは気にしなくてもいいと思います。
出版順に読めば十分人間関係を確認できます。(時間を行き来する話なので、これ自体あっていないかもしれません)
それぞれの内容をネタバレしない程度に解説していきたいと思います。
それぞれのストーリー
コーヒーが冷めないうちに
第1作目はコーヒーが冷めないうちにです。
このタイトルは冒頭のルールに由来しており、コーヒーが冷めるまでしか行った時間には戻れないことを指しています。
最初となるこの小説は「大切な人」として真っ先に思い浮かぶ恋人・夫婦・姉妹・親子 という人との話を紡ぎます。
第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話
第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話
第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話
第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話
この嘘がばれないうちに
第2作であるこの嘘がばれないうちにはコーヒーが冷めないうちにの6年後を描いた物語です。
それぞれがやはり個性豊かなのですが、私は「妻にプレゼントを渡しに行く話」には自分を投影してしまい、感謝しようと思った。
第1話 22年前に亡くなった親友に会いに行く男の話
第2話 母親の葬儀に出られなかった息子の話
第3話 結婚できなかった恋人に会いに行く男の話
第4話 妻にプレゼントを渡しに行く老刑事の話
思い出が消えないうちに
第3作である思い出が消えないうちにでは、いつもの喫茶店フニクリフニクラから函館の喫茶ドナドナに舞台を移します。
しかし、ここも同じようにタイムスリップができる喫茶店でした。
前の店主の置き土産のお話がいくつか展開されていきます。
第1話「ばかやろう」が言えなかった娘の話
第2話「幸せか?」と聞けなかった芸人の話
第3話「ごめん」が言えなかった妹の話
第4話「好きだ」と言えなかった青年の話
さよならも言えないうちに
第4作であるさよならも言えないうちにでは、犬に会いに行く話や大震災の話がでてきます。
自分が置かれている状況や過去によって、読むタイミングによって、深く刺さる話が変わるのも魅力です。
第1話 大事なことを伝えていなかった夫の話
第2話 愛犬にさよならが言えなかった女の話
第3話 プロポーズの返事ができなかった女の話
第4話 父を追い返してしまった娘の話
やさしさを忘れぬうちに
第5作のやさしさを忘れぬうちにでは、1番ルールに新たな発見があるかもしれません。
また、今までと比べると捻りが多いと思います。ただ、王道の感動はしっかり届けてくれます。
第一話 離婚した両親に会いに行く少年の話
第二話 名前のない子供を抱いた女の話
第三話 結婚を許してやれなかった父親の話
第四話 バレンタインチョコを渡せなかった女の話
愛しさに気づかぬうちに
第6作は、2024年発売の最新刊です。
「親孝行したいときには親は無し」を親だけでなく教えてくれる。
愛しい人と過ごせる時間はわずかしかない。
第一話 お母さんと呼べなかった娘の話
第二話 彼女からの返事を待つ男の話
第三話 自分の未来を知りたい女の話
第四話 亡くなった父親に会いに行く中学生の話
まとめ
全てが感動を呼ぶ話になっており、4話構成というのも決まっており、読みやすいです。
もし、煩わしければ正直どこから読んでもよし!
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