「クリティカルシンキング」聞いたことがある方も多いのでは無いでしょうか?
〇〇シンキングって多いよね・・
ここでもなぜか「ロジカルシンキング」がタグづけされているし
「クリティカルシンキング」は批判的思考とも訳されるようなのですが、この中では生産的思考であるとも訳者は言っています。
これを解説していきたいと思います。
今回の書籍
今回の書籍テーマは『クリティカルシンキング』です。
色々な著名人も推奨していますが、紙の本しかありません。ぜひ手に取ってみてみてください。
読むのであれば、一気に読むといいと思います。
そして、解説をしていきますが、以下の影響力の武器と合わせて読むとより法則を強化してインプットできると思います。
書籍の概要
クリティカルシンキングを行うため、この2冊で90もの原則を記載しています。
構成としては原則の前後で「考えてみよう」というアウトプットもできるようになっています。
読んだ内容をすぐにアウトプットすることが効果的なのはアウトプット大全でもおなじみです。
原著と訳著の違いについて
私は訳著しか読んでいませんが、洋書には珍しく圧倒的に例え話が馴染み深いものが多く、スッと入ってくるものが多いです。
これは訳者の計らいでありますが、原著のオリジナル性を重視される方はより、訳者の思いが入っているということは理解いただくのがいいと思います。
入門編
まずは、私が入門編で押さえておきたいと思った原則をご紹介したいと思います。
原則13 人の行動を分析する
人の行動は、一致性・弁別性・一貫性の三次元で評価せよ。そうすれば、原因の所在がはっきりする。
クリシン原則
いわゆる「外因」と「内因」を切り分けるのにどのような考え方をすべきかということを話しています。
それを考えるにあたっては、以下のような要素を元に切り分けます。
- 一致性=他の〇〇もおなじことをしているか
- 弁別性=その行動の矛先は〇〇に対してだけなのか
- 一貫性=環境が変わっても同一の行動を行なっているか
ちょっと何言っているかわかんないや・・・
それでは、一つ例を見てみましょう!
例: 例えば、クラスの女子Aさんに対して、ちょっかいを出している男子Bくんがいる。これは「内因」によるものなのか、「外因」によるものなのかを考えてみる。 事実①他の男子もちょっかいを出している人は他にいない(一致性が低い) 事実②行動の矛先はAさん以外の女子に対しては無い(弁別性が高い) 事実③クラス内だけではなく、下校中や放課後も同一の行動が見られる。(一貫性が高い) この時にBさんは良くも悪くもAさんに何か特別な思いを持っていそうですよね。 これは 「外因」が弱く=一致性が低い 対象を限定しており(女子全般ではない)=弁別性が高い 「内因」が強い=一貫性が高い と言えそうでは無いでしょうか。
確かに!「お前Aさん好きだろ!」
ってからかうようになるのは何気なく、こういう根拠があったかも笑
「一貫性」は影響力の武器の「好意」にも近く、一貫性を保つ行動をステレオタイプ的思考として利用されていることを自覚する重要性も書かれています。
原則26 自己ハンディキャッピング
自己ハンディキャッピングはできる限り避けよ。なぜならそれは、自ら失敗の可能性を高める行為だからだ。また、印象管理の手段としても決して有効ではない。さらに、失敗から学び、根本的な問題の解決へ向かうべき道を自ら閉ざしてしまうものだ
クリシン原則
これを見極めるには「自己ハンディキャップ行動」「ハンディキャップの自己行動」をしていないか考える。
- 自己ハンディキャップ行動=試験前日にゲームをしてしまうようなもの
- ハンディキャップの自己行動=(本当は勉強しているのに)試験前日にゲームをしてしまったと周りに吹聴するようなもの
これはわかる!
僕も試験前に必死で勉強したのに「あー、ゲームしちゃったわーー」とか言いふらしていた記憶があるよ(ボソボソ)
そう!わたしも何気なく、自己防衛でやってしまっていることが多々ありますが、これを自己ハンディキャップを行うと失敗から学ぶことが出来なくなるって怖いですよね。
失敗を認めることが重要ということです。
原則35 確率は均等ではない
人の判断の好みはしばしば特定のものに偏る。つまり、その生起確率をサイコロのように均等なものと考えると誤る可能性がある。
クリシン原則
これも例で考えてみます。
1〜10の数で一つ思い浮かべるように言われ、7を思い浮かべるようにいうにいっても3を言って除いたりするだけでもかなり7を思い浮かべる確率は上がっていく。実験では3割以上が7を選択している。(均等なら1/9で11%程度のはずなのに)
本当に?知らない間に誘導されていたりするということ?
そう、マジックなどもこういった心理テクニックを活用しているケースがよくあります。これは次の法則でもわかります。
原則38 信じたいことを信じる傾向がある
「単なる偶然(偶然の一致)」こそが、しばしば最も有効な説明原理である。
クリシン原則
一致したことを取り上げて騒ぎ立てる特性がある。実際に一致しなかったことを洗い出したらそちらの方が多い可能性は多いかもしれないが、それを無視してしまう。
血液型占いなどは科学的な根拠はないんですが、あたっている部分を選択して、信じたくなったりしますよね。
実践編
次に実践編での内容を紹介したいと思います。
原則46 デフォルト仮定
デフォルト仮定に注意せよ。理解したつもりでも実際には理解していないことはよくあるのだ。
クリシン原則
わかったつもりになってしまっているのはこの「デフォルト仮定」が作用している。影響力の武器でいう「カチッサー反応」に近い。
もし、影響力の武器に興味がある方は以下の記事もご覧ください。
原則54 目標の分析
問題を目標、道具、操作、制約という四つの要素から分析せよ。
クリシン原則
定義自体が「明確」なものと「不明確」なものがある。不明確なものほどこの分析が必要となる。
- 目標=どうなれば問題が解決されたと言えるか
- 道具=どんな道具や材料を使って目標を達成するのか
- 操作=どんな手順や方法で目標を達成するのか
- 制約=やってはいけないことや守らなければならない規則は何か
ゴール設定として目標を持って、どんな手順を用いて(操作)、その手順のためにはどんな道具や武器があればいいか考え、法律など外部の制約は何があるかを考えることが必要ということです。
特に不明確な定義の場合は、目標があいまいだったりするけーすも少なく無いですよね。
8章 意思決定のためのシステマティックモデル
8章は意思決定の全体像を考えることができ、これこそが実践編と下巻を言っている所以だと思います。
これは重大な意思決定をするときに以下のようなステップを踏むことが必要だということを話しています。
STEP1:問題の存在を認める
STEP2:問題を詳細に多様に定義する
STEP3:人生目標を明確にする
STEP4:当面の目標を明確にし、いくつかの案を出す。
STEP5:案をしぼりこむ
STEP6:案を評価する
STEP7:一つの案に決定する
STEP8:選んだ案を実行するというステップが意思決定のためのシステマティックモデル
特に一つの案に決定するときのワークシートでプラス評価マイナス評価の重みづけと点数付をするのは実践的なので、興味のある方は読んでみてください。
ここはぜひ、やってみていただきたいですが、割愛します。
9章 誤った論法
9章では議論について演繹的か帰納的かということに始まり、謝った議論に言及しています。
誤った議論は以下のようなものをあげています。
- 人身攻撃論法→論議とは関係なく、年齢が低いからだめとか〇〇人ができるわけないといったもの
- 先回り論法→私の意見に納得できないならあなたは実に愚かだが・・・というようなもの
- 二者択一の強制論法→選択肢を与えられるが、議論がすり替わっているケースがある。買わない選択肢を消されてAを買うかBを買うか・というようなもの
- 雪だるま式論法→何か一つをとって、飛躍した論理に結びつけること「風が吹けば桶屋が儲かる」というようなもの
- わら人形論法→極端な立ち位置に相手を追いやり、それを論破するもの。「若年層を敵視している」みたいな
- 無知へのアピール論法→相手の知らないことにつけこむ論法。相手が知らないなら自分の主張が正しいというもの
- 立証責任の転嫁論法→自分で立証の責任を負わず、相手が反対の立場をとったときに自分が正しいと主張するもの。例えば、エスパーやサンタなどいない・無いと証明することは難しい。
- 感情へのアピール論法→弔い合戦で戦うなどといったようなもの。感情と論理は分けて考えるべきである。
いかがでしょうか、親御さんなど人身攻撃論法などやっている見覚えあったりしませんか?「中学生には社会の厳しさはわからない」みたいにいっていませんか?
自覚することが一歩目ですよね。
私は二者択一の強制論法に嵌められたようなセールスされたことがあり、まんまと買わされたことがあります。
まとめ サラバト的解釈
私はこの書籍のポイントには「影響力の武器」の内容とも重なる部分が大きく、知っておく・自己認知しておくこともすごく重要なポイントであると認識しました。
まとめとして、ポイントは以下だと考えています。
- メタ認知する
- 法則を知り、騙されないように努める
- 目標を持ち、分解して取り組む
メタ認知する
これは、以下のようなことを指しています。
- デフォルト仮定(無意識反応)をしないようにする
- 行動を「内因」「外因」分けて正しく認識する
- 自己ハンディキャッピングせずに失敗を認める。
法則を知り、騙されないように努める
これは、以下のようなことを指しています。
- 確率は一定では無いことを知る
- 人は信じたいことを信じるものだと知る
- 誤った論法を知り、自分も行わないように留意する
目標を持ち、分解して取り組む
これは目標達成のための「システマティックモデル」のようなものを用いて、ステップに分解をしていくことが重要だとかんがえています。
企業では長期目標、中期目標、短期目標やさらに分解しているような企業ではスモールゴールや行動指標KPIがあるようなイメージです。
いかがでしょうか。
ぜひとも興味がある方は読んでみてください。
「影響力の武器」と合わせて読んでいただくと納得感も強くなると思います。
今回の書籍テーマは『クリティカルシンキング』です。
色々な著名人も推奨していますが、紙の本しかありません。ぜひ手に取ってみてみてください。
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