中小企業診断士学習は継続中です!
今回は過去問を取り上げたいと思います。
学習中だとどのように着目すればよいかわからないよね!
タグで「事例Ⅰ」に関連する項目は見ることができます!
診断士の学習をしない方も、どんな問題がコンサルの試験になるのかを見てみると面白いと思います!
平成29年事例Ⅰの問題
過去問は1次試験も2次試験も以下のリンクから、見に行くことができます。
企業概要
様々な要素がありますが、それは後程本文でご確認いただくとして、概要を抜粋すると以下になります。
- 菓子メーカー
- 資本金 1,000 万円
- 年間売上高約8億円
- 創業メンバーの社長と専務の2名、そして正規社員18 名、パートタイマー中心の非正規社員約 70 名をあわせた約 90 名
設問解釈
長い本文を読むには、先に設問を解釈してから本文を読むことが必要です。
そのために、「設問解釈」から始めたいと思います。
第1問
景気低迷の中で、一度市場から消えた主力商品を A 社が再び人気商品にさせた最 大の要因は、どのような点にあると考えられるか。100 字以内で答えよ
答えるもの:主力製品を再び人気商品にさせた最大の要因 →最大なので1つだけ答える
サラバト解釈(与件文に探しに行く):
・再びということは以前は人気だったはず。
・失敗例と成功例を学ぶべきか
第2問
A 社の正規社員数は、事業規模が同じ同業他社と比して少人数である。少人数の 正規社員での運営を可能にしている A 社の経営体制には、どのような特徴があるの か。100 字以内で答えよ。
答えるもの:少ない正規社員で運営可能な特徴
サラバト解釈(与件文に探しに行く):わざわざ「正規社員」と書いているので、「非正規社員」もいそうな気がするな・・・
第3問
A 社が工業団地に移転し操業したことによって、どのような戦略的メリットを生 み出したと考えられるか。100 字以内で答えよ
答えるもの:工業団地に移転した戦略的メリット
サラバト解釈(与件文に探しに行く):
・工業団地の特徴を見つける必要がある。
・当社の戦略が見えるものはあるか
第4問
A 社は、全国市場に拡大することでビジョンの達成を模索しているが、それを進めていく上で障害となるリスクの可能性について、中小企業診断士の立場で助言せよ。 100 字以内で答えよ
答えるもの:リスクの可能性に関して助言
サラバト解釈(与件文に探しに行く):
・全国市場に拡大することのリスク。
・ビジョンに関連するそのほかリスク
第5問
「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして、A 社の存続にとって懸念すべき 組織的課題を、中小企業診断士として、どのように分析するか。150 字以内で答えよ。
答えるもの:組織的課題をどのように分析するか →課題なので「〜すること」で答える
サラバト解釈(与件文に探しに行く):
・「第三の創業期」とはなにか
・組織的課題なので、ハード面・ソフト面か。
・人事の課題を書く場合は採用・配置・教育・評価・報酬の観点で。
本文との対応
本文も以下をご覧ください。
問題との対応は以下のように考えていきます。
第1問
景気低迷の中で、一度市場から消えた主力商品を A 社が再び人気商品にさせた最 大の要因は、どのような点にあると考えられるか。100 字以内で答えよ
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
・前身のX社は巨額負債を抱えてしまっていた
・以前は100品目以上あったが、今は3種の主要商品に絞っている
・主力商品を冠に新会社設立している
答え構想:
主力商品に集中して、事業を行ったことが最大の要因
↓
この要素として、「品目を絞った」「冠に会社設立した」などがある。
第2問
A 社の正規社員数は、事業規模が同じ同業他社と比して少人数である。少人数の 正規社員での運営を可能にしている A 社の経営体制には、どのような特徴があるの か。100 字以内で答えよ。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
・70名中40名が交代制で行なっている。
・箱詰めなど単純作業を行うこと。
答え構想:
非正規社員でも行えるような業務分解をしている。
↓
単純作業であること
↓
・引き継ぎ作業が少ないこと
・作業教育の負担が少ないこと
↓
そのため、交代制のパートであっても
第3問
A社が工業団地に移転し操業したことによって、どのような戦略的メリットを生み出したと考えられるか。100 字以内で答えよ
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
・工業団地は地元企業を誘致していること
・移転して日産が大幅に増加したこと
・HACCP準拠ができるようになったこと
答え構想:
戦略的メリットは地元密着のイメージ定着と生産性の「質」的向上と「量」的向上である。
↓
・工業団地は地元企業を誘致していること
・移転して日産が大幅に増加したこと
・HACCP準拠ができるようになったこと
第4問
A 社は、全国市場に拡大することでビジョンの達成を模索しているが、それを進めていく上で障害となるリスクの可能性について、中小企業診断士の立場で助言せよ。 100 字以内で答えよ
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
・X社は全国展開時に巨額負債で破綻した
・全国市場に拡大するためには、新製品の開発が必要
・新製品の開発に向けた人材の採用などは難儀
答え構想:
障害となるリスクは「ブランドの希釈化」と「新製品開発苦戦による資金難」「新製品開発のための人材」である。
↓
これを証明する要素は
・X社は全国展開時に巨額負債で破綻した
・全国市場に拡大するためには、新製品の開発が必要
・新製品の開発に向けた人材の採用などは難儀
第5問
「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして、A 社の存続にとって懸念すべき 組織的課題を、中小企業診断士として、どのように分析するか。150 字以内で答えよ。
本文から答えのヒントとなりそうなものを抜粋:
・古参社員が退職を迎えようとしている
・役員は社長と専務だけ?
答え構想:
組織的課題は退職により低下する組織力を補う「中心社員の採用と教育」を行うことである。
また、今後の資金繰りに株式発行なども選択肢に入れていくために役員を登用し、取締役会を設置し意思決定スピードは担保しておく。
解いてみての感想
解いてみての感想は「わりと根拠のある設問が多かった」です。
一方で「切り分けが難しく、盛り込みたいが入れるほどのものでもないもの(例えば設問5の取締役会など)」に迷いました。
あまり、固執しすぎないのがいいですね。
私は以下の書籍を使って、答え合わせをしています。TACテキストも良いのですが、自分の回答と見比べづらく、一般的に推奨されている「ふぞろい」のほうがおすすめです。
ふぞろいも最新版が出るようですので、その場合はそちらがよいでしょう。
事業を引き継ぎしたような事例でした。
組織人事としては、失敗例も成功例も前身の会社を見習う形で回答構成しました。
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